自分なりの味を追求するため、必死に経験を積む

すごいところにお店が建っているでしょう。もともと海に面する斜面を整地してこの店を建てたので、まるで斜面の中に部屋があるような構造になっています。そこから見える海の景色は一階とはまた違ったものだと思います。私がこの店を継いだのが35年前。もともとは別の場所でうどん屋をしていたのですが、急遽後を継ぐことになりました。うどん屋と比べるとメニューの数も多く、それらを覚えていくのが本当に大変でした。当時は自分なりの味を追求していくためにいろんなところに出向き、いろんなものを食べ、ときには思い切って店主に質問をしてみたり、とにかく必死になって経験を積んでいく日々。今になってみれば、よくできたなぁと思いますね。味の追及を続けているうちに、お客様から「おいしかったよ!」と直に言って下さるようになって、本当に嬉しかったですね。
今も昔と変わらず、地域住民の方から県外の方まで多くのお客様にご利用いただいています。ただ1つ変わったと言えば、蟹の収穫量が年々減っていることでしょうか。ここ数年の温暖化を含めた気候変動、そして海の潮流の変化など、様々な要因があると思います。特に冬場は蟹が冬眠に入るので、それによって蟹料理の提供に影響が出ることもあります。気になる方は事前に確認をしてもらうことをお勧めします。

かにちゃんぽんは何気ない雑談の中から生まれた

ワタリガニは周辺海域でとれたものにこだわっています。やはり地産地消を意識していきたいですね。かにちゃんぽんは見た目の豪快さにこだわっており、ちゃんぽんの上にそのままワタリガニが鎮座しているように盛り付けています。もちろん味には自信がありまして、かにみそを贅沢に使うことで本来のちゃんぽんの味にさらに奥行きが加わっています。このかにちゃんぽんの噂を聞きつけて、若い人たちが週末にはよく見えられ、まずはかにちゃんぽんの撮影会が始まりますね。
ちなみに、かにちゃんぽんは何気ない雑談の中から生まれたメニューですが、まさかここまで知名度のあるメニューになるとは思ってもいませんでした。休日は観光客が多いので、よく出ます。平日は地元で働いている方たちが多いので、普通のちゃんぽんの方がよく出ていると思います。

飲食店経験者だと、意外と馴染むのが早いのでは

親族に後継者はいませんが、第三者の方でも歓迎しております。飲食店経験者ですと意外と馴染むのが早いのではないでしょうか。後継者の確保については無理してすることでもないかなぁとは思っています。今は私自身死ぬまで現役を貫きたいと、そういった気持ちでまだまだやっていくつもりです。県民の皆様には本当に感謝の気持ちしかございません。後世に残したいお店に選んでくださり本当にありがとうございます。ここまでやってこられたのも皆様のおかげです。そしてこれからも変わらぬご愛顧をよろしくお願いします。

住所:藤津郡太良町大浦丁1868
電話:0954-68-2723
営業時間:10:00~21:00
休み:木曜日
駐車場:40台