包丁の良し悪しでうなぎ料理の出来ががらりと変わる
もともと印刷会社に勤めながら、お店を手伝っていました。というのも、昭和の中頃は今みたいにうなぎを頻繁に食べる時代ではなかったので、そういった働き方になっていました。その時は父と母、そして妻がお店をやっていました。修行期間と呼べるものはありましたが、途中で先代が亡くなったので、1~2年ほどしかなかったのではないでしょうか。短い期間でしたが、苦労した記憶はあります。特に包丁研ぎには非常に苦労しました。包丁の良し悪しでうなぎ料理の出来ががらりと変わるのですが、それがなかなかうまくいかないと悩んだ時期もありました。あとは見よう見まねで技術を習得していきましたね。時代が進むにつれてうなぎの需要も増え、1998年に印刷会社を退職したのち、うなぎ屋を完全に引き継ぎました。
令和になった今でもご利用はかなりありまして、営業時間を短縮したにも関わらず、ご来店する方はまだまだ増えています。嬉しい限りです。うなぎの管理や仕入れもだいぶ変わりました。昔は仕入れたうなぎを大きな網籠に入れて店の前の川の中にぶら下げていたものです。今は地元でほとんどうなぎが取れなくなったので、鹿児島や宮崎から養殖されたものを入荷しています。唯一ほとんど変わっていないことと言えば、うなぎ料理の値段はずっとそのままです。
ガス炊きのお米は、うなぎとの相性も抜群
うなぎの品質は徹底しています。まとめて仕入れたうなぎの中に一匹でも何かおかしければ改めて仕入れ直します。お米も食感を大切にしており、電気釜は使わずにガスで炊いています。やはりふっくら感が全く違いまして、うなぎとの相性も抜群です。お客さんからは、ここのうなぎは値段以上だとお褒めの言葉をいただくことも少なくありません。中にはもっとうなぎを食べたいために、金額の上乗せをしてうなぎを増やしてほしいと言われる方もいらっしゃるので、できる時は臨機応変に対応しております。インターネットでも口コミで評価をいただいていますね。
私の知らないところで写真が上がっていたりするので、なんとも不思議な気持ちです。それと、以前はせいろ蒸しもやっていましたが、うなぎ丼とうなぎ定食がたくさん出るので、メニューはその二つに絞って提供しています。
今を精一杯にと自身を奮い立たせてやってきた
息子がいますが、東京で料理とは関係のない仕事しているため、どうなるかはわかりません。第三者を含め、今後3~4年の間で決めていきたいと思います。もしかしたら私の代で終わるかもしれませんが、できるところまでしようという気持ちです。これまで、今を精一杯にと自身を奮い立たせてやってきました。そう言った気持ちで長い年月を歩んできたこの店を、県民の皆様に評価してもらい感無量です。これからもマイペースに、皆様に喜んでいただけるようなうなぎ料理を変わらず提供していきますので、よろしくお願いします。
住所:鹿島市高津原678
電話:0954-62-3970
営業時間:11:00~14:00
休み:木曜日
駐車場:店の横に3台と近隣に無料の商店街駐車場あり