前身の「宝月堂」から受け継いだ伝統と時代に合わせた革新

田中勝弘(52)

元々は叔父が佐賀市神野の堀江通り沿いが発祥のうどん店「宝月堂」に10代のころから修行していた私。叔父の長男(師匠)から指導を受けて腕を磨いてきました。1990(平成2)年に兵庫店としてオープンした後、1996(平成8)年に経営権を譲り受け独立、2010(平成22)年に店名を「夢心(ゆめごころ)」に改めました。
宝月堂は満州から戦後帰還した叔父が創業したのですが、当初から満州で製法を学び持ち帰った皿うどんが定番メニューでした。「温故知新」を信条としている私は、皿うどんを当店の目玉として受け継ぐ一方で、新たなメニューにもチャレンジしてきました。
開店当初周囲は田園風景でしたが、時間が経つとともに開発が進み、近隣に「ゆめタウン」がオープンするなど多くのお店が立ち並ぶようになりました。時代の変化に対応しつつ、お客様をはじめ、妻の後ろ盾や家族、周りにいてくださるたくさんの方々のお力添えのおかげで30年以上営業を続けることができました。

店内で手打ちした完全オリジナルのうどん、自家製麺のそば

田中勝弘(52)

当店では自ら手打ちしたうどん、自家製麺のそばを柱として取り扱っています。手間をかけていますが、他にないオリジナルの料理を追求しています。みつせ鶏や九州産の黒毛和牛など、食材もすべて国産で賄っています。
「皿うどん」(並盛り840円)は「見た目はボリューミーな中華で味はあっさりとした和風」という点にこだわり、手打ちうどんを焼いて餡をかけ10種類の具(野菜、肉、魚介類)をのせた、現在でも当店人気ナンバーワンメニューです。
天然海老と地元野菜の天ぷらを添えた「天ざる蕎麦」(夢=1480円、心=1260円)は長野県産のそば粉、関東地方のしょうゆをもとにしたそばつゆを使用しており、関東風の味を楽しめます。
ランチタイムにビジネスマンの間で人気が高いセットメニューは、うどんは普通サイズかミニサイズを、丼ものはカツ丼、牛丼、親子丼、玉子丼からひとつお選びいただけます。
テークアウトにも対応しています、冷たい&温かいそば、丼もの5種類、天ぷらをお持ち帰りいただけます。
(価格はいずれも取材当時)

郷土を愛し郷土に愛されるお店へ

田中勝弘(52)

昨今のチェーン店にありがちな合理的で機械的は店舗ではなく、当店は人とのふれ合いを大切に、独自の味と品ぞろえをもつ唯一無二のうどん店を目指しています。地元佐賀らしさを前面に出した「郷土愛」あふれるお店でありたいと思います。
子ども達は自分の道を歩んでいますので、身内の跡継ぎは今のところはいません。今後従業員の中から後継者を育成するとしたら、まずはお客様を大切にすること、そして伝統を守りつつ時代の変化に柔軟に対応することを伝えたいですね。

住所:佐賀市兵庫北4丁目4-30
電話:0952-33-1660
営業時間:昼 11:00~15:00(14:30 L..O)
夜 17:30~20:30(20:00 L..O)
休み:不定休
駐車場:あり