転勤で惚れ込んだ味。広島風お好み焼きにゼロから挑戦!
渡部 元さん(72)
渡部 京子さん(71)
元々、エンジニアで転勤族だった私は、しばらく広島に住んでいました。
そこで初めて広島風お好み焼きを食べたとき、関西風とはまた違ったおいしさに魅了されまして、
その後、1994(平成6)年に親の介護のため、佐賀へ帰ってきたのですが、
家の近くには広島風のお好み焼きを食べられる店が無くてがっかり。
だったら、佐賀の人にもこのおいしさを知ってもらおう!と、長らく専業主婦だった妻に
「お好み焼きの店やってみない?」と提案されました。
快諾してくれた妻は、広島へ修行に出発。
現地の人気店で、生地の作り方や焼き方を学んできました。
そして、1996(平成8)年に現在の場所で営業をスタート。
当時、広島風のお好み焼き店は珍しく、オープンからたくさんのお客さんにお越しいただきました。
鉄板で焼き上げるとき、山盛りのキャベツにびっくりするお客さんたちの様子は、今でも記憶に残っています。
甘めのキャベツと本場仕込みの特製ソースがこだわり
渡部 元さん(72)
渡部 京子さん(71)
お好み焼きは豚玉、エビ玉、イカ玉と、それらが全部入ったミックス玉をベースにチーズなどをトッピングできます。
素材のこだわりは、甘みがあってみずみずしいキャベツを使うこと。
キャベツは産地によって甘みが変わり、群馬県の「嬬恋キャベツ」などは豚肉との相性が抜群です。
大切にしているのは、広島の人たちが普段から親しんでいるオーソドックスなお好み焼きを作ること。
そのため、ソースや調味料は本場から取り寄せていますし、創業時から作り方は一切変えていません。
広島出身の常連さんも多く、そんな方は箸は使わず、コテで食べます。本場と同じく、
コテを使って暦を壊さないようにカットし、熱々を頬張るとやっぱりおいしさが違うものです。
この好機に、店を引き継いでくれる方と出会いたい。
渡部 元さん(72)
渡部 京子さん(71)
この歳になっても、細く長くやってこられたのは、やっぱりお客さんのおかげ。 20年以上も店をやっていると、小さな子どもだったお客さんが母親になって食べに来てくれたりと、嬉しいことがたくさんあります。 息子が2人いますが、それぞれに会社勤めをしており、後継者は決まっていません。 現在、72歳なので、後3年は店を続けることが目標です。 今後、店を続けていくことが難しくなったら、どなたかに引き継げればと思っています。 私たちも未経験から始めたので、真摯に味を学んでくれる方であれば、料理経験は問いません。 今回、「後世に残したい店」に選ばれたことをきっかけに、後継者と出会えることを期待しています。
住所:佐賀市鍋島町八戸 1144-1
電話:0952-24-2487
営業時間:11:00 〜 21:00
休み:火曜
駐車場:あり