創業して24年目を迎える『第一三吉丸』。店名の由来は取引先の漁船から

南川 久則(64)

このお店は創業して24年目になります。元々は別の場所で小さい居酒屋をやっていたのですが、その後新しい看板でこの駅前にお店を構えました。居酒屋の経営自体は36年のキャリアになりますね。
『第一三吉丸』という名前の由来は取引先の船の名前から許可を頂いて付けさせて頂きました。お店の入口の横に船の第一三吉丸の写真も置いてますよ。船の方は『三吉丸』と書いて『みよしまる』 と読むみたいなのですが、縁起が良さそうなのでお店の方では『さんきちまる』という読み方にしました。
地元のお客さんも宴会とかでよく来てくれるけど、実は7~8割くらいは県外からのお客さんです。うちが佐賀の名物や郷土料理を出す店なので、佐賀のものを食べたいとなった時に選んでくれるようになりました。
中にはうちの料理のためにわざわざ宿を取って定期的に食べに来てくれるようなお客さんもいます。佐賀の料理を気に入って食べに来てくれるのは本当に嬉しいことですね。

『第一三吉丸』自慢の佐賀の郷土料理。きっかけはお客さんの声だった

南川 久則(64)

やっぱり佐賀の郷土料理がお店の売り。うちは基本的に佐賀の素材を佐賀の伝統的な調理方法で提供するスタイルですね。なかなか若い人には馴染みがない料理が多いけど、食べてもらうようにお客さんに合わせた味付けや調理の工夫は頑張ってます。
ムツゴロウとかワラスボとかは見た目で避けられがちだけど、いざ食べてみると美味しいって言ってくれたりします。そういう感じで今は一品もので佐賀の郷土料理を頼んでくれる人は多くなりました。旬のものをその時々で色んな料理にしてお出しするので、メニューに載ってないものも出しますよ。
でもやっぱりよく出てるのは全国的に知られている佐賀牛のサイコロステーキとかイカの活き造りとかですね。 この後にムツとかガニ漬けとかいわゆる佐賀の郷土料理をつまむという感じです。
実は開店した当初はどこにでもある普通の居酒屋だったんです。佐賀の郷土料理を出すようになったのはお客さんから「せっかく駅のそばで居酒屋やってるのになぜ佐賀のものを出したりしないのか」と怒られたのがきっかけ。お店を始めて1年目くらいのことだったかな。
郷土料理ばかり出したら地元の人来なくなるじゃないですかと言ったら、それでもいいじゃないか、どこにでもあるようなメニューを出してそれで駅前に出す意味があるのか、と言われまして。それでハッとして佐賀の郷土料理を出すようになったんです。

この仕事で一番大事なのは「料理が好き」であること

南川 久則(64)

私も頑張れるだけは頑張りたいとは思っているけど、立ち仕事だから身体もきつくなってくると後継ぎも考えないといけない。
後継者は欲しいけど、残念ながら今はいないです。後を継ぎたいという若い人がいればいいですけどね。やっぱり少しでも長く店の名前が残っていたり、もし私がこの店離れてもたまに様子見に行って、頑張ってんだなという姿を見れたら嬉しいですよね。
後継者ができたらお店は任せて、自分は古い平屋とかで自分だけで出来るような小さなお店とかできたらいいなと思っています。自分も一緒にお客さんと一緒に飲みながらやるような、半分道楽のようなお店ができたら最高だね。
後継者に求めるのはやっぱり第一に「料理が好き」ということ。商売・ビジネスと考えるよりもまずは料理が好きじゃないとこの仕事は長く続かない。料理が本当に好きだと自然と努力もするし、この仕事が楽しくて自然と笑顔でお客さんに料理を出すようになる。それが一番だし、そういう人だと任せても長くやってくれるんじゃないかと思います。
後は自分に対して夢や目標を持って日々動いていける方。人間何か夢や目標があるから成長できる。自分の目標や夢があってこの店を選んでくれたらおのずとお店ももっと良くなっていくでしょうし、そういう若者にこのお店や店の味を伝えていければいいですね。

住所:佐賀市神野東2丁目4-56
電話:0952-33-5334
営業時間:11:30~14:00 ※平日のみ
17:00~24:00
休み:第1・3・5日曜日
駐車場:4台ほどの駐車スペースあり