一休軒

昭和30年から愛されてきたラーメン店を守る三代目。次世代へのバトンも模索中

佐賀県内で最古のラーメン店。創業者の思いを胸に「一休軒」の味を日々追求

昭和30年代、久留米市六ツ門のラーメン店で修業し、佐賀で開業した店が十数軒ありました。かつて佐賀市松原で父・大串進が開いた「一休軒」もそのうちの一軒でした。次男である私が店を手伝っていた頃は、経済成長の真っ只中で、最盛期には一日で1200杯を売り上げたこともあり、驚いたのを覚えています。当時開店したお店で屋号として佐賀に残っているのは「一休軒」だけです。当店は昭和60年、店の30周年を機に開店しました。自家用車が普及した時代で、駐車場があるという立地条件でこの高木瀬に決定したのです。
過去には、ラーメンだけでなく冷麺などさまざまなメニューに挑戦したこともありましたが、結局は一つのラーメンの味を追い求めた父のように、原点に帰ることが大切だと気づきました。夫婦で試行錯誤した結果、ようやく安定感のある一杯が作れるようになり、今に至ります。苦労を重ねながらも、父の「一休軒の味と名前を絶対に絶やすな」の言葉を胸に、強い使命感を持って店を守り続けています。

クリーミーなラーメン、佐賀らしい生卵入りラーメンも先駆的に提供

店内に漂う豚骨ラーメン独特の臭いが少ないことが一つの特長で、雰囲気・味ともに女性やお子さんに安心して来ていただける店が目標。時間をおかず、新鮮な材料を使うことがポイントで、早朝から煮込むスープは、父の味と技を継承し、クリーミーで素朴な味わいに仕上げています。中細のストレート麺は製麺所より仕入れる当店のスープに最も合うように選んでいます。スープやチャーシューに使用している豚骨、豚肉は全て佐賀・長崎産。太良町の田嶋畜産より毎日仕入れています。
佐賀のラーメンのトッピングとして特徴的なものは生卵。これは父が60年ほど前に「特製ラーメン」として、生卵入りのチャーシュー麺を考案、提供したのが始まりです。生卵や肉は当時ぜいたく品で、いわばデラックスラーメンでした。当店ではラーメン(650円)に加え、昔ながらの特製ラーメン(1150円)、そしてダブルラーメン(1100円)も看板メニューです。

「一休軒」の名と味を残すために。さまざまな方向から可能性を模索

当店の屋号「一休軒」は商標登録しています。ただし、表に公開しないというわけではなく、希望があれば契約店のような形で看板を使っていただくことも可能です。実際に、当店でラーメン作りの研修を経て開店しながら、経験を重ねるうちにその人なりの理想の味へと進化させていく例があります。
また、父の言葉を胸に長年営業してきた当店も、私たち自身がだいぶ高齢になってきたため、次世代へつなげることへの危機感を抱いています。皆さんに愛していただいた「一休軒」の味と名前を守っていきたいという私たちの思いに共感してくださる方がいらっしゃれば、この仕事を惜しむことなく伝えたいと思っています。ぜひお声かけください。

■DATA

住所:佐賀市若楠2-6-24
電話:0952-33-1688
営業時間:11:00~15:00
休み:水曜、日曜
駐車場:あり